名前と面
千と千尋の神隠しには、
「名前」を失う、
「面」をかける、
という、形ないものを形造る装置が明確に描かれているような気がします。
川の神様の面、
蘇利古の造面、
カオナシの面、
名前を奪われる千尋、ハク。
カオナシのあの面って、なんだったんですかね……。
青蛙、兄役を呑み、体は肥大していっても、虚ろな目のあの面はそのままであって、
キャラクター造形の中でも、あの面だけは最初から決まっていたような気がします。
昏い双眸。
涙のような隈取り。
あの世界では面をつけているのは神様(ないしは、形の無いもの)だったような気がします。
ただそこに存在していて、
目的もはっきりしない、
あれはいったいなんのためにあそこにいたんですかね。
(物語を進める為の装置以外の意味で)
本当の姿については謎のまま。
……不思議だ。
(何を今更)