榎田尤利・「リムレスの空」読了。
掲載誌こそJUNEですが、あまりそれを意識せずに読める一品です。
(どうかすると「そういう」シーンが無かったりする)
じわ~ん、と良かったです。
最終話、夏の子供が特に。
これは魚住君と久留米シリーズ(?)という一連のシリーズモノの最終巻で、キレイな顔の免疫系を専攻する大学院生魚住と、その苦労症(?)な同級生でサラリーマンな久留米氏を取り巻く人々のドラマです。
ラブストーリーではないです。多分。
リストカットの場面とか、生々くて一瞬本を閉じたほど。
PTSDとか、けっこう専門ぽいことが書いてありまして、ケムにまかれている感なきにしもあらじですが。性同一性障害とか、ヘヴィなテーマがそこここにちりばめられています。
自分ではよくわかってない事の方が多くて、詳しい方はとらえどころが違っているな、とか、つっこみがヌルいな、とか思われるかもしれませんが、私は読んでいて、自分の考えと大きくかけはなれている印象はありませんでした。
キャラクターを借りてかたられるイロイロに親近感をもてればハマることうけあい(?)
このシリーズ、うっかり電車で読んで泣きそうになった事もありました。
ラストが…、手法的にはまったく斬新、というワケではないのですが、夏の塩から始まって、また夏の子供で終わるのがなんとも収まりがよく、季節感あふれる作品にもかかわらず、やっぱり「夏」の話で、夏に読めて良かったなあ、と思ったのでした。
これはJUNEスキーの先輩からお借りしてずっと読んでいたんですが(私の読んでるJUNEモノはたいていこの先輩からお借りしています。…フジミは、自分で買いましたケド。)自分でも揃えたくなりました。
…フジミの第二部は買ったんですが、(はじめの2冊だけ)しょっぱなのあまりの甘さに一気に引いてしまい、『いつか読もう本』の山に埋もれてしまってます…。
いくらなんでも「僕のコ・イ・ビ・ト」はないだろう…。
うっ、自分で入力してもちょっとサムい…。