日光縁起に曰く、かつて戦場ヶ原では、赤城の神と二荒の神が争い、敗れた赤城の神が国へ戻る途中、立ち寄り、傷を癒した地が、後の追神、転じて老神温泉になったのだとか。
老神温泉の源泉は片品川のほとりにあり、かつては川の中に温泉が湧いていたのだとか。(今はポンプで引き上げて旅館まで運んでます)
さて、ここでおもしろいのが、日光縁起によると、赤城の神=ムカデ、二荒の神=大蛇なのが、口伝で伝わる老神温泉の伝説だと、赤城の神=大蛇、二荒の神=ムカデ、と、逆に伝わっているところ。
大蛇は龍に通じるから、より見栄えのいい方を自分のところの神様にしちゃったんじゃないですかねえ、と、老神温泉のとある旅館の女将さんが笑いながら語ってくれました。
ちなみに、老神の人は、日光に行っても二荒山神社には詣でないんだとか。
いつの伝承なのか、日光縁起は室町時代の成立ですから、1600年ほど前になりますか?いや、たいした語り告がれっぷりです。
老神から戦場ヶ原までは、日本ロマンチック街道で繋がっています。
途中の丸沼、菅沼の神秘さと静寂に、古の出来事に思いをはせてみたりみなかったり。
うう、老神側になんらかの文書があったらもっとおもしろそうなんですが、赤城神社あたりも調べれば色々出てきそうでうずうずしてしまいます。
赤城の大沼にも娘に懸想した大蛇の話などあって、妄想はつきません。
ふふふふ。