ニワニハニワニワトリガイル
梨木香歩「裏庭」
湯本香樹実「夏の庭―The friends―」
読了。
泣きました。
どちらもです。
心の垢が、ボロボロおちていくような爽快感。
「夏の庭」は特に。亡くなった祖父母の事を思い出しました。
祖父も祖母も、亡くなったのは夏の終わりで、空が高くて、でも暑くて、真っ青な空に吸い込まれるように消えていく煙を。
ただ、焼き場までいけたのは祖母の葬儀の時で、祖父の時は模擬試験があって、試験に行かされた…という、受験生でなく、まだ中学1年だったんですけど、私…。ちょうど祇園祭りの日で、吹奏楽の演奏も実家の隣の美容院の駐車場でやったなあ、とか。私は打楽器だったのでぬけるわけにいかなくて、祖父の亡骸の近くで演奏したあの日の事は、いまだに覚えています。「神話」という、天の岩戸をモチーフにした曲でした。
「裏庭」は、基本線はファンタジーなんですが、出てくるセリフのひとつひとつが胸に響き、そのつどページの端を折っていって五箇所ほど折り跡がついてしまいました。
「自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような他人の傷を批評する方が遥かに楽だもんな」
「…薬付けて、表面だけはきれいに見えても、中のダメージにはかえって悪いわ。傷を持っていることは、飛躍のチャンスなの。だから、充分傷ついている時間をとったらいいわ。薬や鎧で無理にごまかそうなんてしないほうがいい」
あたりは特に好きなセリフです。なんか身につまされました。
夏に読めて本当に良かったです。
メイのしりが…。
赤毛のアンのミニーメイ大好きだった私としてはメイのぷくぷくのほっぺとか、たいそうさわりたくなります。
メイの「おねええちゃああああん」
の声を聞くとつい、妹を思い出すんですが、妹は妹でメイは弟に似ている、と言い張ります。どこの家でもそうなのでしょうか…。
実家にはいつ帰ろう、と、夏の夜はふけてゆきます。
あーとりとめがない。
それにしても、日本全国満員御礼は過大広告だと思うんですがいかがでしょうか。JA×Oに言った方がいいですか?
少なくとも私が行った日はガラガラでした。